総量規制対象外キャッシング特集│総量規制を正しく理解して借りる

あなたは「総量規制」という言葉をご存知でしょうか。
国の指導などにより、ある分野の「総額」の「量」を「規制」することを指します。

 

かつては、民間金融機関の行き過ぎた不動産融資を制限する目的で、大蔵省が主導の元、不動産向け融資の制限が行われました。
不動産価格の高騰を沈静化することを目的としていましたが、バブル経済の崩壊とその後の「失われた20年」と呼ばれる不況の要因のひとつとなったといわれています。

 

現在では、金融機関からの個人借入が「総量規制」により制限されています。
バブル経済崩壊からの立ち直りにあわせて、個人借入では過剰な貸付による多重債務債務者の増加が大きな社会問題となりました。
自分の返済能力を超える借入を行った結果、返済不能となり中には自殺者まで現れる事態となり、国の主導で個人借入総額の制限を行ったのです。

 

 

総量規制下では、個人借入の総額が原則「年収の3分の1」を超えることができません。
貸付契約には「個人向け貸付」「個人向け保証」「法人向け貸付」「法人向け保証」の4種類があります。

 

このうち「総量規制」の対象となるのは「個人向け貸付」のみであり他の3種類は対象とはなりません。

 

「総量規制」は2006年12月に成立した「改正貸金業法」により設けられた制度です。
「改正貸金業法」では、いわゆる「グレーゾーン金利」の撤廃など、これまでの個人借入に対する問題解決を目的とした様々な規制が設けられました。
総量規制の制度も、同法の目玉のひとつとして設けられましたが、金融機関側の準備期間などを考慮して、最終的に2010年6月に施行されることになりました。

 

 

総量規制の導入により、個人顧客からの新規融資の申込を受け付けした貸金業者は指定信用情報機関が保有する個人信用情報を利用して、他社の借入残高を調査し、新規借入額をあわせて年収の3分の1を超えないことを確認しなければいけません。

 

また新規申込時だけでなく、利用中にも借入残高を調査する必要があります。
具体的には、1ヶ月の貸付合計額が5万円を超え、かつ貸付残高が10万円を超える場合には、毎月個人信用情報を利用して他社の借入残高を調査しなければいけません。

 

また貸金業者は以下の貸付を行う場合、収入を明らかにする書類(年収証明書)の提出を求め、貸付額が年収の3分の1を超えないことを確認しなければいけません。

 

・自社の貸付残高が50万円を超える場合
・自社と他社の貸付総額が100万円を超える場合

 

ここで注意しておきたいのが、貸付額とは「残高」ではなく「限度額」で判断されるということです。
カードローンなどの「限度額」を設けている商品では、仮に借入残高が0であっても、限度額が残っている以上は総量規制の対象として計算されるということです。
個人信用情報の照会では、利用残高が0の借入も照会として確認されることに注意しておきましょう。

 

すべての個人向け貸付が総量規制の対象となるわけではありません。
総量規制にはそれぞれ「除外」「例外」となる貸付が設けられています。

 

「除外の貸付」とは、そもそも総量規制の対象とならない貸付です。
不動産購入資金などは、貸付残高が残っていても総量規制の計算には含まれません。
仮に2000万円の住宅ローンが総量規制の対象となると、年収は6,000万円以上必要となります。
これだけの年収を確保できる一般の方は、そう多くはおられないでしょうが、住宅ローンは総量規制の「除外の貸付」ですので、一般の方でも十分利用できるようになっています。
「除外の貸付」には以下の貸付が当てはまります(施行規則第10条の21第1項各号)。

 

  • 不動産購入または不動産に改良のための貸付(そのためのつなぎ融資を含む)
  • 自動車購入時の自動車担保貸付
  • 高額療養費の貸付
  • 有価証券担保貸付
  • 不動産担保貸付
  • 売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付
  • 手形(融通手形を除く)の割引
  • 金融商品取引業者が行う500万円超の貸付
  • 貸金業者を債権者とする金銭貸借契約の媒介

 

「例外の貸付」とは、貸付の残高としては算入するものの、例外的に返済能力を判断したうえで年収の3分の1を超えていても貸付を認めるというものです。
例えば年収300万円の方ですでに100万円を借入している場合、すでに年収の3分の1を借入していることになります。
しかし緊急の医療費の借入30万円の融資については、この方の返済能力を判断することで例外として貸付を認めることができるのです。
「例外の貸付」には以下の貸付が当てはまります(施行規則第10条の23第1項各号)。

 

  • 顧客に一方的有利となる借換え
  • 緊急の医療費の貸付
  • 社会通念上緊急に必要と認められる費用を支払うための資金の貸付
  • 配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付
  • 個人事業者に対する貸付
  • 預金取扱金融機関からの貸付を受けるまでの「つなぎ資金」に係る貸付

 

また「銀行からの借入」も総量規制の対象とはなりません。
そもそも総量規制をはじめとする「改正貸金業法」は、その対象者を「貸金業者」としています。
「貸金業者」とはお金を貸すことを専属としている業者のことです。

 

一方銀行は「貸金業者」ではありません。
顧客から「預金」を預かり、その資金を「融資」として運用しています。
銀行業務を制限する法律も「貸金業法」ではなく「銀行法」という別の法律が制定されています。

 

多くの銀行では「総量規制の対象外」という宣伝を掲げて多くの顧客を獲得しようとしています。
年収の少ないパートやアルバイト、学生の方でも年収による縛りがありませんので、ある程度の借入を利用することができるようになっています。
ただしあくまで自分の返済能力の範囲内で利用することを心がけておきましょう。

 

ここで総量規制に対するよくある質問事項を見てみましょう。

 

○総量規制の対象に、クレジットカードのショッピングは含まれますか?

 

クレジッカードのショッピング(割賦販売)は貸金業法の対象外です。
年収の3分の1を超える借入がある場合でも、クレジットカードで買い物をすることは可能です。
ただしクレジットカードのキャッシング枠の利用は総量規制の対象となります。

 

○貸金業者が年収の3分の1を超える貸付を行った場合、何か罰則はあるのですか?

 

貸金業者が総量規制の違反した貸付を行った場合には、行政処分の対象となります。
営業停止や貸金業者登録の取り消しなどの処分を受けることもあります。

 

○連帯保証人がいる場合でも、自分の年収の3分の1を超える借入はできませんか?

 

総量規制はあくまで借入者本人の収入で判断します。
保証人がいる場合でも、年収の3分の1を超える借入はできません。

 

○既に年収の3分の1を超える借入がありますが、なんらかの規制対象となるのでしょうか?

 

既に借入額が年収の3分の1を超えている場合でも、ただちに一括返済を求められるわけではありません。
新規借入ができなくなるだけであり、なんらかの処分を受けることもありません。

 

○給料の他に、パチンコなどの収入は年収に含むことができますか?

 

総量規制の基準となる「年収」には法律上以下の定期的な収入が定められています。

 

・給与
・年金
・恩給
・定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く。)
・年間の事業所得(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る。)

 

これら以外の収入、ギャンブルなどの勝利金、株式利などの投機性利益は法律上年収には含まれません。

 

総量規制は過剰な貸付を制限し、利用者の返済負担が増加することを目的としています。
正しい知識を身につけ、安全に借入を利用するようにしましょう。